続・アイドルまっしぐら!!

「なぁ、なんか俺に隠してない?」




「えっ……そ、そんなことないよ。」




歩美の気持ちが、俺にないのはもう分かっていた。




でも、その事実を俺に言わない理由が分からなかった。



俺が好きじゃないのに、何となく関係を続けたがる……



歩美の口から聞けないなら、何か別の形でアプローチをかけるしかなかったけど、




特に良い策は思い付かなかった。




そんなとき、



「よぉ。何を真剣な顔して悩んでるんだ?」



「……圭輔くん。」




俺の1つ上で、仲がよかった先輩の藤堂圭輔(とうどうけいすけ)くん。




「珍しいな。卓哉が悩むなんて。」




「そりゃ、俺だって人間ですから悩みますよ……。」



俺がそう言うと、圭輔くんは俺の隣に座った。



夕陽が綺麗だった。