続・アイドルまっしぐら!!

アイドルになる前、俺には彼女がいた。



名前は歩美。



秀でて美人とかじゃないが、一緒にいて心地よい大切な人だった。



幼い恋だったけれど、俺は歩美を自分なりに愛していたと思う。



あの頃は、良介や龍にも負けないくらい、一途な性格だったはず。




もし、あのまま付き合っていても、絶対に結婚したりはしなかっただろうけど、



俺は歩美が、俺のことを好きでいてくれる間は、ずっと傍にいるつもりだった。



……しかし、次第に歩美の様子がおかしくなりはじめた。




気づかない人間がいないほどあからさまに。




「歩美。今度の日曜日だけど、映画でも観に行かない?」



「あっ……ごめん。今度の日曜日はダメなんだぁ。」



「……そっか。」




最初のうちは、本当にたまたま日程が合わないだけだろうと信じて疑わなかった。



だけど、その内に俺の誘いを10回に1回ぐらいしか受けなくなり、




本当に付き合っているのかを疑問視せざるを得なくなっていった。