「私、もしかして寝てた?」
「……うん。もしかしなくても。」
「おかしいなぁ……」
里奈はどうやら、いつの間にか寝てしまったらしい。
「遅くなってごめん。」
「ううん。」
どことなくぎこちない雰囲気が流れる。
「里奈。話があるんだ。」
「……うん。」
ベッドの上。僕たちは真っ直ぐ見つめ合っている。
「……僕の母親のこと、聞いたんだね?」
「……どうして知ってるの?」
「……光樹に聞いたんだ。」
僕がそう言うと、里奈はうつ向いてしまった。
「大丈夫。光樹は怒ってないし、里奈のことも僕のこともを嫌いになったりしてないから。」
里奈はゆっくりと顔をあげた。


