「……樹。光樹ってば。」
目を覚ました時には、辺りはすっかり闇に包まれていた。
随分長い間眠っていたらしい。
「やっと起きた。」
……ん?この声は……
「……良介?」
俺の隣には、心配そうな表情を浮かべている良介の姿があった。
「……どうして?」
「メンバーで焼肉に行ったあと、話したいことがあって来たんだけど、おばさんに聞いたら何か体調が悪くて早退してきたとか言うし。で、当の本人は目を真っ赤にして、何故か知らないけど泣いたみたいだし。そりゃ起こしたくもなるよね。」
……やっぱり、良介は人として大きな魅力を持ってる。
アイドルになるために生まれてきたんだ。
「……別に何でもないよ。」
「僕の知ってる光樹は、何でもないのにこんなに涙を流すような人じゃないけど。」
普段とは違い、はっきりとしたやや強めの口調で僕に質問を投げかけてくる。


