今の僕は、母さんに会うことで弱くならないだろうか? ……アイドルになって、世間から注目されれば、母親が会いに来てくれるかもしれない。 ……それがアイドルになったきっかけ。 ……でも、今の僕には里奈がいる。 僕が揺らいじゃいけないんだ。 「……この部屋。1人で大丈夫か?」 「……はい。」 僕は、橘さんにそう言って、ふぅと大きく息を吐いてから、ドアを開けた。