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そして季節は巡り、僕が死んでから一年が経とうとしていた。
僕はあの後も度々末安の家にお邪魔になったり、ご馳走になったりしていた。
彼女を幸せにするには、彼女から孤独を無くさなければならないと思ったから。
それに、彼女と居る事で、僕も其れなりに楽しい日々を過ごせていたからだ。
そしてそれは、ある日の午後だった。
「将太っ!」
窓越しに聞こえる声。駿だった。
「なっ・・・何でお前、こんな所に・・・。」
ザワッ
教室中がざわめき始める。
「・・・誰だろう。ねえ、石松君。」
末安が、僕に話しかける。
知ってますとも。僕の親友ですよ。とは流石に言えずに、僕もさあ、と分からない振りをした。
しかし、駿はそんな雰囲気にも関わらず僕に叫び続ける。
「いいから・・・早く来い!」
僕も全く訳がわからなかったが、
ガラ・・
席を立つ。
「先生、用事ができたので早退します。」
返事も聞かぬうちに、僕は教室を後にした。
末安の、驚いたような声だけが、聞こえていた。