顧問と私たちと旅行部な時間

「小さな温泉街で、そこの一番入りたい温泉って言うのが『つぼ湯』だ。川岸の岩場をくり抜いたような穴から温泉がわき出ていて、2、3人ぐらいしか入れない程小さいんだ。これはやっぱ、カップルで入りたい温泉だな」


「カップルって、混浴……?」


 驚いた様子で綾海は祐樹を見た。


 祐樹は那歩に「機会があれば一緒にどう?」とだらしない顔で言い寄った。


 言い寄られた那歩は「混浴」と言う言葉に引っかかるものを感じ、彼を無視して持っているプリントに再び目を通した。


「そう言うことかぁ」


 プリントに書かれた温泉群の共通点を見つけた那歩は、耕二が祐樹を入れるのを躊躇した「理由」が分かった。


「これ、全部混浴だ」


「ピンポーン!」


 満面な笑みで、祐樹は那歩を指さした。


「もう、変態!」


 綾海は顔を赤くして祐樹を殴ってやった。


「俺が心配しているのは、こんな近寄っただけで妊娠させるような輩を、旅行部に入れても良いのかって事だ」