顧問と私たちと旅行部な時間

 那歩の陰になっていた担任らしき姿を見つけると、綾海は上半身を斜めに反らしてその姿が担任で間違いないことを確認した。


「神田先生じゃないですか。ここの顧問なんですか?」


「あぁ、そうだ」


「おぉ、じんだ。おまえだけのハーレムにはさせないから!」


 神田耕二を指さす祐樹に、「かんだだ!」と訂正させた。


「岸和田祐樹……。類は友を以って集まる、と言うが、正にこの事だな」


「どういうこと?」


 那歩は耕二に歩み寄ると、耕二は机の引き出しから1枚のプリントを取り出し、那歩に見せた。それは昨日行われたテストのプリントだった。


「奴は一応、部員候補に入れていた1人だ」


 祐樹の回答プリントを見て、那歩は「おお」と感心した。都道府県の8割は埋まっていた。


「山形――芋煮。山梨――ほうとう鍋。石川――じぶ煮。大阪――うどんすき。大分――城下カレイの刺身」