顧問と私たちと旅行部な時間

 翌日の放課後、3階にある第2社会科準備室では、琴子が那歩の隣で顧問の耕二に頭を下げていた。


「1年2組の姫島琴子です」


「まさか、2日目でここに連れてくるとは思わなかったな」


「私のセントクンって奴?」


「それを言うなら、人徳な。……それは、奈良のマスコットキャラクターだろうが」


 耕二は咳払いをしてから、琴子に説明を始めた。


「この旅行部の詳しい活動内容は追って説明するが、旅行部に入る以上、しっかりと旅行について学んで貰う」


「はい」


「学んで貰えさえすれば、旅行中でもカメラの代わりに絵でも描いて貰ったって、全然構わない」


「まぁ、琴子ちゃんの絵の技術は、美術部より旅行部にいたほうが上達するかもね」


 そんな那歩に、耕二は感心した。


「那歩の言うことは一理あるかもな。うちの美術部がどれほどのものか知らないが、実物を見ることで、学ぶこともあるからな」