顧問と私たちと旅行部な時間

 本を紙袋にしまい、琴子は2人に一礼をして店を出ていった。


「まぁ、私も帰るわ」


 残ったポテトを手に取り、綾海は席を立った。


「うん。また明日ね!」


 自然と出た言葉なのか、わざとなのか、那歩の言葉に綾海は苦笑した。


 その頃、隣の本屋で立ち読みをしていた祐樹は、雑誌を一通り読み終えると、床に置いた鞄を持ち、綾海を捜した。


「あれっ、綾海は?」


 今頃になって、綾海がいないことに気づいていた。
 商店街の比較的小さな本屋だ。通りの本数も少なく、見つけられないわけはなかった。


「声をかけないで先に帰るなんて、珍しいこともあるもんだな」


 そう思いながら本屋を出ると、ちょうど隣の店から綾海が出てきた。


「あっ、祐樹」


 祐樹は綾海が手に持つポテトを見て顔を歪めた。


「お前な、マグドに行くなら声かけろよな」