顧問と私たちと旅行部な時間

「よっしゃ、決まり! 部室は今のところ3階の第2社会科準備室だから」


「はい! よろしくお願いします。那歩さん、綾海さん」


「あっ、私は……」


 旅行部員と思われ、綾海はしどろもどろになった。


 そんな様子の綾海を見て、琴子はキョトンとした。


「部員じゃないんですか? なんか、詳しそうですのに」


「あたしは強制はしないからさぁ。まぁ、綾海ちゃんの知識は十分旅行部の戦力になるから、獲得したいところだけど」


 無理矢理本屋から連れ出し、旅行部に入らないかと強引だった那歩に、綾海は「随分と謙虚ね」と思った。


「まぁ、しっかりとバリューセットを奢ったけどね」


「うっ……」


 脅迫まがいのことを言われた。言い方を変えれば「良い返事を期待してる」と言っているようなものだ。


「じゃぁ、とりあえず解散。また続きは明日の放課後でね」


「はい。じゃぁ、失礼します」