顧問と私たちと旅行部な時間

「古美術全般に好きですけど、仏像が特に」


「その東寺の帝釈天なんてイケメンよね。日本、いや、世界の仏像の中で1番イケメンだと思うわ」


「そうですよね!」


 同年代で仏像に興味がある人と出会ったことがない琴子は、目の前に理解者が目の前にいることに喜んだ。


「あたしは1年3組の八坂那歩。この子は1組の小原綾海ちゃん」


 代わりに自己紹介され、綾海は「綾海です」とにこやかに頭を下げた。


「2組の姫島琴子です」


「琴子ちゃんは、部活は決まったの?」


「……美術部にしようと思ったんですけど」


「自分に合わなかった?」


「描きたい絵を描けそうになかったから」


「それって、仏像の?」


「はい」


 琴子はカバンからスケッチブックを取り出すと数枚めくり、1枚の絵を那歩と綾海に見せた。