…棗に痛い処を突かれた…。




私が何者なのか?




…絶対、言えない。




いや、言っちゃいけない。




だって




「稚春が何者なのか聞かれた時は直ぐに俺の名前を呼んで。絶対に答えちゃいけないよ。分かった?」




あの場所に住んでる時、小さい頃からその言葉を"ある人"に言われてたから。




…あの頃は、何で言ってはいけないのかは分からなかったけど…今、思い返せば多分…心配してくれてたんだと思う。




その"ある人"は…今は何処に居るのか分からなくなっちゃったけど…。





でも、その人との約束は絶対に守らなくちゃいけない。




そう、心に刻んでいる。




いや…刻まれている…?




…分からないけど…



とにかく、私の素性は隠さなくちゃいけない。