赤い狼 弐








「…稚春が。」



「…ん?」




名前を呼ばれて遠くにあった意識を取り戻し、視線を隼人に向ける。




「稚春が、楽しいなら良かった。


俺等は…お前を見捨てたりなんかしねぇから、辛くなったら此所に来いよ。」





隼人は、私の頭をポンポンッと軽く叩きながら優しく笑った。




俯いていた顔を上げて隼人を見ると何故だか…




…泣きたくなった。





その、優しい表情に。




その、優しい言葉に。






「…ありがとう…。」




泣きそうになるのを我慢する為に唇を噛み締めながら、隼人にそう言うのだけで精一杯だった。




少しだけ、心が救われた気がした。





"この人達なら、信じれるかも。"







そう、思った。