もう一度、気合いを入れ直して
――ガチャッ――
思いっきりドアを押した。
「もう、二人共、何騒いでるの。階段まで声、聞こえてたよ。」
そう言っていつもの様に口喧嘩をする奏と銀を怒る。
そして、奏と銀の手に握られている"あるモノ"を見て私は言葉を失った。
「だってこっちより銀の方が稚春に似合うって銀が言うから…。俺はぜってぇこっちんが稚春に似合うと思うのに!」
奏は私を涙目と上目遣いで見つめてくる。
ゔっ!
いつまで経ってもこの上目遣いは駄目なんだよねぇ。
ついつい、よしよし。
ってして、味方につきたくなる。
そんな気持ちを抑えて頭をブンブンと振って
「そんな顔しても駄目だよ。私には効かないんだから。あと、喧嘩しちゃ駄目ってこの前も言ったでしょ。」
と奏を見て注意する。

