「それがあるんだよねぇ。俺等的には、稚春が居なくなったら困るの。」
「…私、居なくなりませんよ?」
「稚春にその気がなくても《VENUS》の奴等は俺等《SINE》から稚春を奪う気満々だと思うよ…?」
「…え?そんな事、無いと思うけど。」
「そうかな…?じゃぁ稚春、あいつ等に何かされたりとかしなかった?」
「何かって?」
「抱きつかれたりとか。」
「え。されたけど…そんなもの、連とか奏とかしょっしゅうしてくるし…別に良くない?」
「良くねぇよ。」
稚春ちゃんの言葉に隼人が素早く反応した。とても不機嫌な声で。
「…やっぱり、されたんだね。」
棗は空を仰ぎながらやれやれ。と小さくため息をついた。
「気に入られたみたいだね…。他には…?」
「他…?」
稚春ちゃんは小さく呟くと、考える体勢に入った。
そして、暫く考えた後…
明らかに何かありました。
というように顔を赤くした。
…ぜってぇなんかあったな…。
「…稚春、何かされたの?誰に………されたの?」
棗は優しく稚春ちゃんに問い掛ける。でも、声は優しいが、目が笑っていない。
…おいおい。稚春ちゃんにそんな表情見せんなよ。
稚春ちゃん、怖がってんじゃん。
…まるで脅しだな。

