そういう事か。と言いながら龍の顔を見ると
「ありゃ?やっぱりバレたか~。」
と少しおどけて言った。
「で、どうすんだ。」
「あー、今ん処喧嘩はせんつもりやで。」
「そんなの、知ってる。あの女、どうするんだって言ってんだよ。」
そうじゃなくて…とため息をつきながら龍の目を見る。
「あぁー、ところで拓磨…稚春の事、どう思う?」
龍の奴、話反らしやがったな。
「…今ん処、人形みてぇな顔立ちと、怖い物なし。な印象しか無い。」
そう言って鳳陽と喧嘩している稚春という女をチラッと横目で見る。
透き通るような肌。
大きな目。
長い睫毛。
口紅を塗ったような赤い、唇。
そんでもって触りたくなるような黒い、長いストレートな髪の毛。