「…ご飯炊けるまで部屋でゲームでもしようか?」

「うん。それより奏、先に着替えたら?制服エプロンはかなり萌えるんだけど…落ち着かないだろ?」

そう言えば制服のままだった。

燃えるって、ガスコンロで燃えるって事かな?

そうだね、燃えたら大変だよね?制服は高いし。

「うん。着替えてくる、ちょっと待っててね?」

私は部屋に入り、制服から携帯を取り出し、机の上に置き、脱いで壁のフックのハンガーに制服をかける。

立て掛けてある姿見が視界の隅に入り、下着姿の自分の身体を見た。

肩のアザを手で押さえる。

美樹ちゃんに見られちゃったな…佐野君にも…

佐野君には誤魔化せたけど、美樹ちゃんは気付いてしまった。

佐野君への想いも…

美樹ちゃん、二人で考えようって言ってくれた。

ありがとう、美樹ちゃん。

美樹ちゃんのお陰で佐野君が今うちに居る。
日曜日にまた佐野君の中学にも行ける。

たんこぶ出来てもお釣りがくる位、今日の私は幸せだ。

ロンTとデニムのショーパンに着替えて、部屋のドアを開ける。

「佐野君?いいよ?入って?」

声をかけるとダイニングの椅子に座っていた佐野君が、私を繁々と見つめていた。

「……足…ヤバイって…」

何かボソッと呟く佐野君の声がよく聞き取れず、

「え?何?」

「…いや、なんでも」

立ち上がると私の部屋に佐野君が入ってきた。

佐野君が私の部屋に居る…

…なんか不思議。

佐野君はラグの上に座ると、私の部屋を見渡した。

なんか部屋見渡されるのって恥ずかしいな…

「…あっ、ゲーム何がいい?私佐野君みたいに格闘ゲームとか持っていないし、桃鉄?テトリス?オセロとかカードゲーム?ロープレ?あ、ロープレは二人で出来ないね?あはは」

何故か早口になってしまった。

佐野君が私の部屋に居て、嬉しいんだけど、落ち着かない…

「…奏も座れば?」

佐野君が私を見上げてそう言うと、またもや心音が速くなる。

「…あ…うん…」


私は佐野君と少し離れて隣に座っる。

すると佐野君は手をつき腰を浮かせると、私の側に寄ってきた。