先制のスリーで勢い付いたのか、その後も安定したプレーでリョータ達は一回戦を無事に勝ち進んだ。
プロの試合と違って、負ければそこまで。もうそこで終わり。
ある意味、プロの世界よりもシビアな世界なのかもしれない。
綺麗に整列して礼をしている選手達。
お互いその表情は明らかに別物で、負けた方は悔し涙を堪えきれずにただうつ向き。
勝った方は、喜びと安堵の表情と、再び次の試合に向けての緊張で、次第に引き締まってくる。
負けたチームには申し訳ないけど、厳しいようだがそこまでの実力だったと言う事と、何よりリョータ達が勝ってくれた事が何よりも嬉しかったし、誇らしくもあった。
よく頑張ったな。
いい試合だった。
一言そう言ってやりたい。
それと、もうひとつ気になる事が。
俺の勘違いであってほしいと僅かな期待を抱きながら、俺は立ち上がり、控え室へと向かう事にした。

