三人で7並べをやって過ごしていたら昼食が運ばれてきて。
「お?もうそんな時間か」
マサキ君がそう言って、トランプを纏めて片付けてくれた。
「マサキくん、ごはん食べたあとも遊ぼうね!」
「午後からは俺は勉強すんの、まりあは夏休みの宿題やれ」
「えー…」
「えー、じゃない。あ、奏さん、数学解んないとこ教えて欲しいんだけど…」
「うん。いいよ」
「あっ、マサキくんばっかズルい!かなでおねぇちゃん、まりあにもおしえて」
「勿論、じゃあ今日はお昼からは三人で勉強しようね」
そう約束してマサキ君は自分の病室へと戻り、それぞれ昼食をとる事にした。
「わあ!オムライス!」
まりあちゃんの昼食はオムライスだったみたい。
この総合病院の食事のメニューは小さな子供は子供向けのメニューがあって、バラエティーに富んでいる。
入院していると食べる事が楽しみのひとつでもあるから、子供が大好きな定番メニューのハンバーグや、カレー等、そんな食事が出てくると、まりあちゃんも大喜び。
「いただきまーす!」
綺麗に両手を合わせて、まりあちゃんは美味しそうにオムライスを頬張る。
「いただきます」
私も同じようにして昼食を食べ始めた。
お昼からはお勉強会。
マサキ君は入院生活での勉強の遅れを取り戻す為に、毎日勉強している。
時折解らない所を私に聞きに来てくれて、まりあちゃんもそんなマサキ君の真似をしたいのか、よく勉強をするようになった。
ひとりっ子の私は、可愛い弟と妹が出来たみたいで、とても新鮮で、嬉しくもあった。
「…茜お兄ちゃん、今日は来るかなぁ…」
まりあちゃんがオムライスを食べる手を止めて、ポソリと呟いた。
「……どうだろうね、お兄ちゃん、きっと忙しいんだよ…」
佐野君がお見舞いに来てくれなくなって、1週間が過ぎていた。

