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ゴロゴロと徐々に近付いてくる雷音に身体を微かに震わせながら、ベッドの上でひとり眠れぬ夜を過ごしていた。


せめてまりあちゃんが居てくれれば、少しは気持ちが紛れるんだろうけど。


生憎今日まりあちゃんは、夕方私が寝ているうちに自宅に外泊していて、病室には私一人きり。


せめて電気でも点けられたらいいんだけど、消灯の時間にそれをする訳にもいかなくて。


「早く……、通り過ぎて…」


祈るように呟いた次の瞬間。


−−ゴロゴロッ!カッ!


「ひゃっ!」


瞼を閉じていたにもかかわらず視界が真っ白に。


いやだ。
どんどん近付いてきてる。


横になっているのが不安でたまらなくなってしまって、起き上がりシーツを頭から被ってベッドから降りた。


部屋の隅に踞り、小さくなって雷が過ぎていくのを待つ事にした。


骨にヒビが入っている脇腹が少し痛むけど、いつもひとりの時はこうやっていたし、ベッドに居るよりか、いくらか安心する。


ギュッと目を閉じて耳を塞ぐ。


耳を塞いでいても雷音は消えてはくれなくて、どんどんその音は大きさを増してくる。


−−カッ!ガラガラガラッ!!


大きな音がして。


−−バリバリバリッ!!


窓がビリビリと振動して、身体にもそれが伝わってくる。


ギュッと閉じた瞼から涙がこぼれた。


−−ドォンッ!!


「きゃっ!」


怖いっ!


激しい落雷の音とともに、恐怖で身体を強ばらせていると。


「……大丈夫だよ。奏」


後ろからふわりと何かが私を包み込んだ。