強い衝撃と共に私が目にしたのは、眩しいほどの太陽と、青い空と、入道雲。
ガツッ!!
次に頭が硬いものに叩きつけられる感触。
…………何?
コレ………。
どうなったの?私………
「奏っっ!!」
佐野君の声が聞こえる。
ああ………
そうだ……、私……、佐野君に大事な話が……
「奏っ!」
佐野君、来てくれた。
言わなくちゃ……
「奏っ!大丈夫かっ?!直ぐに救急車呼ぶからっ!」
「さの……くん…あの…ね」
「喋るなっ!じっとしてろっ!」
「…きーて…さのく」
「いいからっ!黙ってろ!」
佐野君?泣いてる?
私のせい?
私が泣かしてるの?
「東区!区立体育館!早く!早く来てくれっ!奏がっ!」
佐野君、こっち見て?
「……さの…くん」
「今救急車呼んだから!」
「なか…ないで…」
泣いてる佐野君の頬に手を伸ばそうとするけど、身体が言う事を聞いてくれなくて、必死に佐野君に手を伸ばす。
「奏っ……、大丈夫だ、大丈夫」
佐野君はその手を取ってくれて、自分の頬にあててくれた。
「さの…くん…」
「何?……」
「あ……、めりか…」
「アメリカ?」
「ばすけっと……」
「何言ってる?アメリカへは行かないって…」
佐野君。もう隠さなくていいんだよ?
私、佐野君の帰りを待ってるから。
「ばすけっと……やめちゃ…だめ…おねが、い…」
「わかった、わかったから…、もう喋るな…」
「よかっ、た……、やくそく、ね?」
「奏っ!」
ああ……
私今、佐野君に抱きしめられてる。
佐野君の腕の中……
暖かくて……
眠くなっちゃうよ……
眠る前に伝えなくちゃ……
佐野……、君……、大好き……

