昼食をご馳走になった先生にお礼を言うと、リョータ君達には自由解散するように伝えてくれと佐野君に告げて、先生は一足先に学校に戻っていって。
私達4人が一旦パラソルに戻ろうとしている所で、バスケ部の子達は砂で山を作って遊んでいて、何を作っているんだろうかと覗いて見てみると。
さっきの二人組の男の人達がその砂山のふもとに、顔だけ出して埋まってしまっていた。
……砂が…、重くないのかな?
「あはは、佐野君と拓也がやったの?」
楽しそうに聞いてくる美樹ちゃんに佐野君は。
「俺がそんな面倒臭い事する訳ないだろ?リョータ達と遊んでるだけだよ。な?」
佐野君はしゃがみ込んで男の人達に笑顔を向ける。
「そっ、そうそう!暇だからっ、遊んでもらってるの俺達…、あ…あははは……」
砂に埋もれる遊びなの?
「おっと、仕上げを忘れる所だった!」
リョータ君がさっきまで佐野君が使っていた白のマーカーのキャップを開けて、男の人達の間に座り込み二人の額に何かを書いていて。
「なっ、何書いてる?まさか……」
「よーし!お兄さん達、これでこの夏はモテモテ間違いなし!良かったな!あははは!」
男の人の額には『肉』と書かれていて。
その後ろで拓也君と美樹ちゃんは大笑いで。
もう一人の男の人の額には『米』と書かれいた。
「おー、兄さん達強そうだぜ?最強タッグだ」
それを見た佐野君は男の人達に満足げな笑みを見せる。
肉と米の何が強いのかはわからないけど、皆が指差しながら涙を浮かべて笑うから、それを見ていた私もつられて笑ってしまった。
それからリョータ君達は、腕のタトゥーを色濃く残す為に、海には行かずに再びビーチバレーを始め。
美樹ちゃんと拓也君はまた泳いでくると海へと行ってしまい、佐野君はパラソルの下でゴロリと横になってしまったので、私もその隣に腰をおろした。
「泳ぎに行かないの?行ってくれば?」
「ううん。いい、佐野君はお昼寝?」
「うん。食ったら眠くなってきた、少しだけ寝る」
あ…、そう言えば佐野君、今日は朝早かったもんね。

