貴重品をロッカーにしまい、拓也とバレーコートへ。
奏と美樹は同じコートできゃあきゃあと騒ぎながら、二人に対するハンデなのか、バスケ部一年とゲームを楽しんでいた。
美樹がトスを上げ奏がジャンプしスパイク。
見事にアウトライン内側に決まり、二人は抱き合う。
へぇ。
やるじゃん、奏。
アタックじゃなくてスパイクなんて。
うちの高校は体育は選択しないと出来ないから、奏の運動能力は謎だったんだけど、今の動きを見ていると、球技大会に奏が参加出来てたら、結構いい所まで行けたかも知れない。
イメージとしては奏はあまり運動は得意じゃなさそうなのに。
以外な奏のしなやかな動きに、暫く釘付けになってしまっていた。
一年がアタックを放つと、奏は砂に飛び込んで片手でレシーブ。
上がったボールを美樹が軽くトスすると奏はすかさず立ち上がり、ネットに向かってジャンプし、トンッとボールを押して下に落とす。
ボールはネットギリギリの所で下に落ち、またもや得点。
砂だらけになった身体の奏に美樹は飛び付き、そのままもつれて倒れ込む。
二人は笑いながら足を絡めて、そのままゴロゴロと転がり……
…………なんか。
……エロいんですけど…
お互いビキニでもつれ合う奏と美樹……
さっきは誰にも触れるなとか思ってたけど。
これはこれでありかも……
「チクショー、デジカメ、ロッカーの中じゃん…」
隣で拓也が呟く。
確かにこれはぜひ残しておきたい貴重なショット。
そう考えているのは俺達だけじゃないのは確かで、気付けばコートの周りに戦場カメラマンよろしく、砂浜に這いつくばりデシカメと携帯を構えているリョータ達三年。
………お前等…
だから一年にゲームやらせてたんだな?
水着な奏を先撮りされて、俺が黙っているとでも?
「…拓ちゃん、あいつ等に仕置きするから手伝って?」
親指で戦場カメラマン達を指差す。
「データ消去して、砂に埋めてやる……」
指をポキポキと鳴らす拓也。
拓ちゃん、男前。

