◆◆◆
「じゃ、帰る時は電話かメールしてね?」
「うん。送ってくれてありがと、母さん」
「いいのよ、楽しんでらっしゃっい」
母さんに車で海岸まで送ってもらい、荷物をおろして道路の上から砂浜を見下ろすと、溢れんばかりの人、人、人……
微妙に田舎なこの街も、年に一度のこのシーズンばかりは大勢の人々で賑わう。
駐車場は何処も満車。
海岸通りの道路は路肩に停めてある車と、行き交う車で渋滞を引き起こす。
地元民にとっては大変迷惑な話だけど、その恩恵に預かっていることも確かで、夏限定の海の家や、海沿いのホテルや民宿等は何処も満杯。
夏限定のにわか観光地と化す。
「スゲー人…パラソル立てれるかな?」
うちから持ってきたパラソルを肩に担いで呟く拓也に奏が。
「ごめんね…拓也君、私が寝坊しちゃったから…もっと早くに来てたらこんなにまで人は多くなかったかも…」
「へ?…、そんなつもりで言ったんじゃないよ、かなちゃん、パラソルなんて、立てないなら立てなくてもてもいいんだから、早く下行こう♪」
「場所は、多分あいつ等が確保してる筈…」
石段を降りながら俺が俺がそう言うと。
「奏さんっ!」
「はいっ!…って、え?…コースケ君?」
俺なんかには見向きもしないで、砂浜を奏目掛けてコースケが駆け寄ってきた。
「お久しぶりです。奏さん」
「ホント、久しぶり、今日練習は?」
「今日の練習はビーチバレーです!」
「…はい?」
リョータは奏の前までやって来るとボールを指先でクルクルと回してみせた。
俺はそんなコースケの額にデコピン。
「イテッ!…なにするんすか、先輩のデコピン痛すぎ!」
大袈裟に痛がり額を押さえるコースケ。
「あほ。練習休ませてもらって、ビーチバレーで遊んでるだけだろが」
「バスケ部のみんなも来てるの?」
「はいっ、先輩達の為に場所取りしてあります。あの…そっちの可愛い二人組も先輩のツレ?」
コースケは俺の肩越しに後ろの拓也と美樹を指差す。
「じゃ、帰る時は電話かメールしてね?」
「うん。送ってくれてありがと、母さん」
「いいのよ、楽しんでらっしゃっい」
母さんに車で海岸まで送ってもらい、荷物をおろして道路の上から砂浜を見下ろすと、溢れんばかりの人、人、人……
微妙に田舎なこの街も、年に一度のこのシーズンばかりは大勢の人々で賑わう。
駐車場は何処も満車。
海岸通りの道路は路肩に停めてある車と、行き交う車で渋滞を引き起こす。
地元民にとっては大変迷惑な話だけど、その恩恵に預かっていることも確かで、夏限定の海の家や、海沿いのホテルや民宿等は何処も満杯。
夏限定のにわか観光地と化す。
「スゲー人…パラソル立てれるかな?」
うちから持ってきたパラソルを肩に担いで呟く拓也に奏が。
「ごめんね…拓也君、私が寝坊しちゃったから…もっと早くに来てたらこんなにまで人は多くなかったかも…」
「へ?…、そんなつもりで言ったんじゃないよ、かなちゃん、パラソルなんて、立てないなら立てなくてもてもいいんだから、早く下行こう♪」
「場所は、多分あいつ等が確保してる筈…」
石段を降りながら俺が俺がそう言うと。
「奏さんっ!」
「はいっ!…って、え?…コースケ君?」
俺なんかには見向きもしないで、砂浜を奏目掛けてコースケが駆け寄ってきた。
「お久しぶりです。奏さん」
「ホント、久しぶり、今日練習は?」
「今日の練習はビーチバレーです!」
「…はい?」
リョータは奏の前までやって来るとボールを指先でクルクルと回してみせた。
俺はそんなコースケの額にデコピン。
「イテッ!…なにするんすか、先輩のデコピン痛すぎ!」
大袈裟に痛がり額を押さえるコースケ。
「あほ。練習休ませてもらって、ビーチバレーで遊んでるだけだろが」
「バスケ部のみんなも来てるの?」
「はいっ、先輩達の為に場所取りしてあります。あの…そっちの可愛い二人組も先輩のツレ?」
コースケは俺の肩越しに後ろの拓也と美樹を指差す。

