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かれこれもう30分以上にも及ぶ担任の話も、そろそろフィニッシュに近付こうとしてた。


「……、羽目を外して、高校生らしくない行動は呉々も控える事…以上だ」


「…よっしゃあぁーっ!!夏休みだっ!」


貴司が机の上に立ち、両手を上げて叫んだ。


「うひょ〜!遊ぶぞっ!」
「海に行くぞっ!」
「あたしは海外旅行〜♪」
「俺は髪の毛、青にする〜♪」
「バイトだっ!稼ぐぞっ!」
「ナンパ!合コン!」
「ひと夏の…経験…」
「花火大会っ!」
「クワガタ捕りっ!」


一斉に机をバンバンと叩き出すその他大勢。


うるさくてしょうがない…


「こらっ!今羽目を外すなと言ったばかりだろうがっ!バイトは一応禁止なんだからなっ!」


誰も担任の話なんか聞いちゃいない。


一学期最後の教室の異様な光景…


盛り上がるのも仕方ないか。
明日から夏休みだ。


一学期頑張った俺は今回は補習は無し、長い休みに他のやつ等程のテンションは上がらないが、嬉しいのは隠しきれない。


頭の中で奏とどう過ごそうかと、密かにシュミレーションをしている俺。


やっぱ海水浴は外せないでしょ?


リョータ達の全国大会もある。


そう言えばキョンちゃんからも旅行に誘われてたな…


今年の夏は特別なイベントが沢山ある。


「みんな〜!盛り上がってる所悪いんだけど!今から文化祭の出し物の話し合いするから!」


学級委員の竹田が立ち上がり、異様にハイテンションなその他大勢を沈静化させた。


さすが学級委員、やるね?


竹田は自分の席からスタスタと移動して、教壇の上に立つと。


「内容によっては夏休みから準備が必要だから、出し物、希望があれば出して下さい」


「たこ焼!」
「お好み焼き!」
「劇だろ劇!俺王子!姫は奥村さん!」
「違う!メイドカフェだっ!」
「音楽やろうぜ!」
「執事カフェっ!!」
「ホストクラブ!」
「…天下一武道会…」


再び異様な盛り上りを見せる教室…