「はいは〜い♪次、二次会行くよ〜♪」


結局響屋の暖簾がしまわれるまで、居座ってしまった私達。


カケルさんは上機嫌でかなり飲んでたみたいで、足元がおぼつかなくなってしまっていた。


「…翔…お前、飲みすぎ…明日も朝早いんだし、今日はもうお開きな」

「えぇ〜?行こうぜ敦〜…」


カケルさんは高宮さんに支えられながら、子供みたいにただを捏ねていて、いつものカケルさんらしくなくて、私は少し笑ってしまった。


「ダメだ、お前は俺達の雇い主なんだから、そんなだらしない姿、他の奴に見せるな、自覚しろ。ほら、帰るぞ?」


高宮さんはそう言って、カケルさん身体を支えつつ引き戸を開けて、カウンターの中でビールを飲んでいるマスターさんに向かって。


「じゃ、マスター。お騒がせしました。春名、他の子達の事、頼んだよ」

「うん。きちんと送り帰すから大丈夫、お疲れ様」

「高宮、どっちが社長かわからないな?ははは」

「あはは、間違いなくこいつがオーナーですよ、俺達の夢…ホントに叶えられたのは、全部こいつのお陰だ…」


見るとカケルさんは高宮さんに肩を担がれて、落ちてしまっていた。


「食えないやつだけどね?」


着替えを終えた佐野君が店内に戻ってきて、高宮さんにそう言うと、高宮さんは。


「まあ、確かにな、やっぱお前面白いやつだな?あはは、じゃ、みんなお疲れ様。明日もよろしくな?」


私達は、はい。と高宮さんに返事をして、二人を見送った。


恭介さんとアスカさんは一足先に、みんなに散々冷やかされて帰ってしまっていて、残るは私と美樹ちゃんと春名さんと、翼君。


「さ、タクシー呼ぼうか?」

「あ、あたしは彼氏が迎えに来てくれるから、いいですよ」


美樹ちゃんは拓也君が迎えに来るんだ。


「奏は俺が送ってく…」

「え?」


私は少し驚いて、佐野君を見上げた。


「えっ、て…嫌か?」

「…嫌じゃないけど、私、制服…スカートだし…」


私がそう言うと佐野君は、着ていたGジャンを私の腰に巻き付け、袖を前に結んで。


「これなら大丈夫…送ってく」


「……うん」