「あはは♪何これ?」

「恭介さん、可愛い、似合ってますよ?」


鼻にコットンを突っ込んで、ベアのカチューシャを頭に付けてはしゃぐ恭介に、それを見て喜ぶ奏。


奏…恭介にもそれ、買ってたんだ…


「いいなぁ、俺もアスカちゃんと遊園地とか行きてぇ」

「え?…恭介さんって…アスカさんの事…」

「うん。大好き♪」


満面の笑みで答える恭介に奏は。


「…告白、しないんですか?」

「あはは、そんなの何度もしてるって」

「何度も?」

「うん」

「…キョンちゃん、多分それ、本気にされてないから…」

「えっ?マジで?」


スポン、と鼻のコットンを飛ばした恭介。


「あ、わり、もう血止まってんじゃん」


コットンを拾い上げてゴミ箱に放ると恭介は。


「なあ?茜、どうやったら本気にしてもらえるかな?」


いつになく真剣な表情の恭介。


「さあ?自分で考えたら?」

「お前な…人が真面目に聞いてるのに…」

「でもアスカちゃん…キョンちゃんの事、頼りがいがあって、明るいやつだって、頬染めて言ってたぞ?」


…後半は嘘だけどね?


「マジで?脈ありって事か…フフフ…」

「恭介さん、よかったですね、頑張って下さいね?」

「うん。俺頑張る♪」


それから奏と恭介は色々とお互い話が弾み、気付けば時計は午後11時を回っていた。


嘘?もうこんな時間?


「奏、11時過ぎてる」

「えっ?…あ、ホントだ、帰らなくちゃ」


慌てて帰り支度を始める奏に恭介が。


「奏ちゃん、もう遅いし、雨降ってるし、送っていくよ?俺、車だし」

「いいんですか?」

「うん。全然構わないよ」

「奏、俺が送っていく…」

「…でも佐野君…膝が…」

「大した事ないって」


言いながら立ち上がろうとするけど、膝に力が入らず、ガクッと手をついてしまった。


……このポンコツめ…


「佐野君っ」

「茜、無理すんな、俺が責任持って送っていくから」


……全く…


情けないな。