「大体そんな事して覚えてない訳無いんだ…」

サンドイッチにかぶり付きながら何やらブツブツと呟く佐野君。

ちょっと悪戯が過ぎたかな?

「まだ一回しかやってないのに…どんだけ俺が…」

「ごめんね?佐野君、怒った?」

テーブルを挟んで佐野君の顔を覗き込むと、

「……その顔に免じて許してやる」

…どの顔?

とりあえず機嫌は直ったみたい。
よかった。

「シロは?どうするの?恭介さんの所に連れていくの?」

膝の上のシロを撫でながらそう聞くと。

「キョンちゃんが迎えに来てくれる事になってる」

「わざわざ?私が連れて行こうか?恭介さんの住所教えて?」

「いいよ行かなくて、来てくれるって言ってんだから…」

佐野君は言いながら私の隣に移動してきて。

「…それより…奏と…夢の続き…やりたい…」

耳元で囁いた。

「…夢の続き?」

「うん」

佐野君は私の髪を後ろに流すと、耳にキスをしてきて、肩がピクッと震えてしまった。

「…どんな夢なの?」

恐る恐る聞いてみると、頭の後ろと背中に手を回し、ゆっくりと私を横たえた。

「…凄くいい夢」

「……いい夢?…ん…」

指を私の座骨に這わせ。
頭がぼんやりとしてくる。

「…奏と二人でしか出来ないんだ…」

「…あ…私と……ん…二人で?…」

シャツの裾から手が入り込んできた。
ゆっくりとお腹をなぞられる。

「…そう奏と二人で」

「あっ…んっ…さのくっ…やっ」

シャツを捲られ、胸に手をあてられて、その手は優しくそれを包み込み、胸元にキスを落とす。

「嫌?」

「…あ…今…朝だよ?…ん…外…は…明るい…よ?…んっ」

唇を塞がれ、頭の中が真っ白になってしまいそう。

「…明るい方が奏がよく見えるから」

「……恥ずかしいよ」

「誰も居ないよ?」

「……シロが居る」

「シロは問題外…もう、我慢出来ない…お願い」

「……うん……んっ」

佐野君は深く、噛みつくようにキスをしてきた。

−ピポピポピンポーン♪

やたらと陽気なチャイムの音がして、ドアの向こうから、

「茜〜っ、来てやったぞ〜、開けろ〜」

恭介さんの声。