◆◆◆
いつものようにグラスをピカピカに磨いていると恭介が、
「茜〜。アスカちゃんから電話だぞ〜」
「は?アスカちゃん?何で?」
「俺が知るかっ、ほら」
カウンターの隅に置いてある固定電話の受話器を俺の方に向ける恭介。
受話器を受け取り、
「……はい」
『あっ。茜くん?』
「うん。アスカちゃん、どうしたの?店に電話なんて…」
『奏ちゃんのケー番教えてくんない?』
「は?奏の?何で?」
『今日あたしね、カケルに頼まれて、駅前ビルの完成披露パーティーに来てるんだけど…』
…そう言えば今日奏も駅前ビルのパーティー行くって言ってたな…
「うん。それで?」
『奏ちゃんたら、お父さんと喧嘩しちゃったみたいで、その場から走って居なくなっちゃったの』
…父親と喧嘩?
『その時あたし、奏ちゃんが靴擦れで足傷めてたから、その代わりの靴探しに行ってて、戻ってきたらもう奏ちゃん居なくなってて、奏ちゃんが履いてたピンヒールもその場に置いてあったっから…、裸足で、走ってどっか行っちゃったみたいなの』
「裸足で?」
『うん。だからあちこち探してみたんだけど、見つからなくて、奏ちゃんのケー番知らないから、奏ちゃんのお父さんも探しに行ってて…茜くんなら知ってる筈だと思って、だから電話したの、バイト中にごめんね?』
「そんな事は別にいいよ、俺も探しに行く、あ。奏のケー番はね…」
とりあえずケー番を教えて電話を切る。
「マスター!今日はもう上がらせて!」
エプロンと手拭いを外しながら厨房に向かい声を荒立てた。
「おっ!なんだ?茜?どうした?」
マスターの後ろをすり抜けながら、
「ごめん!埋め合わせはするから!」
休憩室に上がり巣早く着替える。
「じゃ、お疲れ!ホント、ごめん!」
「おうっ!気にすんな!お疲れ!」
背中にマスターの声を聞きながら、引き戸を開けて、バイクを引っ張り出す。
メットを被りバイクに股がりエンジンをかける。
二三度アクセルを回し、ギアを入れて走り出す。
…奏…
…喧嘩って。
……裸足って…
……何があったんだ?
行き交う人をすり抜けて駅方面へとバイクを走らせる。
いつものようにグラスをピカピカに磨いていると恭介が、
「茜〜。アスカちゃんから電話だぞ〜」
「は?アスカちゃん?何で?」
「俺が知るかっ、ほら」
カウンターの隅に置いてある固定電話の受話器を俺の方に向ける恭介。
受話器を受け取り、
「……はい」
『あっ。茜くん?』
「うん。アスカちゃん、どうしたの?店に電話なんて…」
『奏ちゃんのケー番教えてくんない?』
「は?奏の?何で?」
『今日あたしね、カケルに頼まれて、駅前ビルの完成披露パーティーに来てるんだけど…』
…そう言えば今日奏も駅前ビルのパーティー行くって言ってたな…
「うん。それで?」
『奏ちゃんたら、お父さんと喧嘩しちゃったみたいで、その場から走って居なくなっちゃったの』
…父親と喧嘩?
『その時あたし、奏ちゃんが靴擦れで足傷めてたから、その代わりの靴探しに行ってて、戻ってきたらもう奏ちゃん居なくなってて、奏ちゃんが履いてたピンヒールもその場に置いてあったっから…、裸足で、走ってどっか行っちゃったみたいなの』
「裸足で?」
『うん。だからあちこち探してみたんだけど、見つからなくて、奏ちゃんのケー番知らないから、奏ちゃんのお父さんも探しに行ってて…茜くんなら知ってる筈だと思って、だから電話したの、バイト中にごめんね?』
「そんな事は別にいいよ、俺も探しに行く、あ。奏のケー番はね…」
とりあえずケー番を教えて電話を切る。
「マスター!今日はもう上がらせて!」
エプロンと手拭いを外しながら厨房に向かい声を荒立てた。
「おっ!なんだ?茜?どうした?」
マスターの後ろをすり抜けながら、
「ごめん!埋め合わせはするから!」
休憩室に上がり巣早く着替える。
「じゃ、お疲れ!ホント、ごめん!」
「おうっ!気にすんな!お疲れ!」
背中にマスターの声を聞きながら、引き戸を開けて、バイクを引っ張り出す。
メットを被りバイクに股がりエンジンをかける。
二三度アクセルを回し、ギアを入れて走り出す。
…奏…
…喧嘩って。
……裸足って…
……何があったんだ?
行き交う人をすり抜けて駅方面へとバイクを走らせる。

