◇◇◇
「茜っ!本日三人目の挑戦者だ!」
宮地君の声が教室に響き渡り、クラスのみんながそちらに目を向ける。
見ると顔を真っ赤にしてうつ向いている女の子、ネクタイの色からして一年生。
呼ばれた当の佐野君はと言うと、
「佐野君、起きて、佐野君っ」
机の上に突っ伏して居眠りしていた。
肩を揺すり、起こしてあげると。
「…んあっ?…え?…何?…」
「佐野君…あそこ」
戸口を指差す。
「は?あそこ?」
寝ぼけ顔で戸口に目をやる佐野君。
「茜…お前また寝てたの?ほら今日三人目…」
「…あ―…うん…」
眠そうにあくびをして、頭をかきながら戸口へと向かう佐野君。
……今日で告白されるの三人目になるね?佐野君…
球技大会の翌日。
佐野君は前日の真っ赤な髪の毛から、今度は佐野君の瞳と同じ色の、鮮やかな琥珀色の髪になって登校してきた。
金色の佐野君
赤い佐野君
琥珀色の佐野君。
短期間でこんなにも色々な佐野君を見れて凄く嬉しくて。
その琥珀色の髪は、只でさえ大人っぽい佐野君をさらに素敵にしてて、金より赤より似合ってるような気がして、いちいち私をときめかせる。
それは他の女の子達も一緒で、球技大会が終わってから暫く経って、腕の怪我も完治したけど、毎日のように女の子が佐野君に告白しにやってくる。
でも佐野君は誰の告白も受けないで、全て断っている
その度に、嬉しいような、悲しいような、複雑な気持ちが私を襲ってくる。
…大事な事は置き去りにして。
それでも佐野君の側に居たくて…
時々胸が張り裂けそうになる…
「…ん…奥村さん」
呼ばれてハッと我に返ると、沢田さんが私の顔を覗き込んでいた。
「…あっ、何?」
「どうしたの?ボーッとして?」
「え?あ、ちょっと考え事してて、あはは。何?沢田さん」
「あのね?担任が呼んでたよ?職員室に来るようにって」
「うん。わかった、ありがと、沢田さん、ちょっと行ってくるね?」
何の用事だろ?もうすぐLHRなのに、放課後じゃダメなのかな?
そんな事を考えながら職員室へと向かう。
「茜っ!本日三人目の挑戦者だ!」
宮地君の声が教室に響き渡り、クラスのみんながそちらに目を向ける。
見ると顔を真っ赤にしてうつ向いている女の子、ネクタイの色からして一年生。
呼ばれた当の佐野君はと言うと、
「佐野君、起きて、佐野君っ」
机の上に突っ伏して居眠りしていた。
肩を揺すり、起こしてあげると。
「…んあっ?…え?…何?…」
「佐野君…あそこ」
戸口を指差す。
「は?あそこ?」
寝ぼけ顔で戸口に目をやる佐野君。
「茜…お前また寝てたの?ほら今日三人目…」
「…あ―…うん…」
眠そうにあくびをして、頭をかきながら戸口へと向かう佐野君。
……今日で告白されるの三人目になるね?佐野君…
球技大会の翌日。
佐野君は前日の真っ赤な髪の毛から、今度は佐野君の瞳と同じ色の、鮮やかな琥珀色の髪になって登校してきた。
金色の佐野君
赤い佐野君
琥珀色の佐野君。
短期間でこんなにも色々な佐野君を見れて凄く嬉しくて。
その琥珀色の髪は、只でさえ大人っぽい佐野君をさらに素敵にしてて、金より赤より似合ってるような気がして、いちいち私をときめかせる。
それは他の女の子達も一緒で、球技大会が終わってから暫く経って、腕の怪我も完治したけど、毎日のように女の子が佐野君に告白しにやってくる。
でも佐野君は誰の告白も受けないで、全て断っている
その度に、嬉しいような、悲しいような、複雑な気持ちが私を襲ってくる。
…大事な事は置き去りにして。
それでも佐野君の側に居たくて…
時々胸が張り裂けそうになる…
「…ん…奥村さん」
呼ばれてハッと我に返ると、沢田さんが私の顔を覗き込んでいた。
「…あっ、何?」
「どうしたの?ボーッとして?」
「え?あ、ちょっと考え事してて、あはは。何?沢田さん」
「あのね?担任が呼んでたよ?職員室に来るようにって」
「うん。わかった、ありがと、沢田さん、ちょっと行ってくるね?」
何の用事だろ?もうすぐLHRなのに、放課後じゃダメなのかな?
そんな事を考えながら職員室へと向かう。

