「…あっ…茜っ…ん…茜……」
俺の下で切なく鳴く奏。
その苦しげに閉じた瞳も。
唇から漏れる切ない吐息も。
汗ばむ身体も。
その全てが俺を魅了する。
今までに感じた事が無い、甘く、痺れるような波が押し寄せてくる。
「……奏……奏っ…」
奏の名前を呼ぶと、うっすらと目を開けて、それに応えるように、腕を俺の首に回し、ギュッとしがみついてきて。
汗ばむお互いの身体はさらに密着度を増し、それでもなお離れがたくて。
必死にお互いを求め合う。
ひとつになれた歓びと、突き上げてくる快感に気が狂いそうになる。
「…奏……好きだっ……奏っ…」
何度も名前を呼んで、その度に俺の下で甘く息を吐く奏の唇を塞ぐ。
お互いの熱い吐息が絡み合う。
「……茜……は…ん、あ…茜…」
欲しくてたまらなかった奏。
その切ない鳴き声を、自分の為に奏でてくれていると思うと、自然と目頭が熱くなり、温かい物が流れ落ちる。
頬に手をあて、瞼にキスをくれる奏。
その瞳にも涙が溢れてて。
涙を流しながら、お互いの手を握りしめて。
さらに高みへと上っていく。
かつて無い、大きな波が俺を襲ってきて。
「…奏っ……はっ…奏っ…っ…」
その波に大きく飲み込まれた瞬間。
全てが真っ白になる。

