奏の顔の横に両手をついて。
「……ホントに…いいの?」
「………うん」
小さく呟く。
その小さく呟く一言に、わずかに残っていた理性もどこかに吹き飛んで行ってしまった。
「……奏」
ゆっくりと奏の身体に自分の身体を被せ、唇に深く口付ける。
それに応えるように奏も俺の背中に手を回す。
「ん…さのく…ん」
唇の隙間から俺の名前を呼ぶ奏。
その漏れる吐息すら愛しくて。
全て飲み込んでしまいたい。
唇が降れるか、降れないかの距離で。
「奏……名前…呼んで?」
「……佐野君」
「違う、下の方の…」
「…あ…茜、君……」
「惜しい…君、無しで…もう一度…」
「…あ…かね…」
「もう一度」
「…茜」
「もっと」
「…茜……茜……んっ…」
今までに無い程、深く、激しく奏の唇を塞ぐ。
ブラウスのボタンを外しながら、奏の首筋に唇を這わせる。
「……あっ…」
ピクリと身体を反らす奏。
反らした隙間から手を背中へ。
目的のモノにを摘まむと、小さくパチンと音がした。
「……佐野君…私…」
「茜…」
ブラウスの襟首に手を忍ばせると奏の鎖骨が露になって。
「…あ…茜…私、凄く、緊張しちゃって…」
「………俺も」
「……上手く…出来なかったら…ごめんなさい…」
……そんな事、ある訳無いだろ?
その潤んだ黒目がちな瞳も。
甘い吐息も。
こんなにも俺の全身を痺れさせるんだから……
「……奏……好きだよ」
「!っ……茜っ…」
ギュッと俺に抱きついてくる奏。
頭の中が真っ白になってしまって、少し乱暴に奏の制服をはぎ取っていく。
奏の白い綺麗な身体が露になって。
「………綺麗だ…」
思わず言葉が溢れる。
「……茜も…綺麗だよ…」
頬を赤く染めてそう呟く奏の身体に、自分の身体を重ねた。

