◇◇◇
「奏さん、手伝ってもらってありがとう、助かったよ、あいつら、ほっぽり出して行きやがって…」
佐野君達が学校に戻ってしまって、私はバスケ部一年生の子達と後片付けのお手伝いをしていた。
手伝いと言っても片手が不自由な私は、先生の車に道具を少しつづ運んだだけ。
後は他の子達が殆どやってくれて、
「いえ、私は何も、かえって気を使わせてしまったみたいで…」
「いやいや、あいつらも奏さんに良いとこ見せようとして、張り切ってたから、早く片付いたよ」
笑いながら、バタン、とトランクを閉める先生。
「しかし茜のやつ…教師になるって…はは…」
「…佐野君は…高田先生みたいになるのが夢なんです…」
先生は車に寄り掛かり、うで組みをして駐車場から海岸を眺める。
先生と同じ方向に目をやると、太陽の陽射しで輝く水平線に目を細めた。
さっきは楽しかったな。
バーベキューなんて初めて。
みんなと記念撮影?までして。
ふふふ。
佐野君がシャッターを押して。
佐野君の一言にみんな顔を歪めての記念撮影。
後で見せてもらったら、みんな面白い顔してた。
その後に、佐野君と二人で初めて写真を撮った、マサト君が撮ってくれて、佐野君たら顔くっ付けて来るんだもん、(上裸だし)恥ずかしくて顔が赤くなってた。
他にも沢山撮ってくれた。
心の中では何度も佐野君にシャッターを押したけど、ホントに一緒に写真撮れたなんて、夢みたい。
嬉しかった。
目に見えない宝物は佐野君から沢山貰ったけど。
形がある物って凄く嬉しい。
佐野君から依然貰ったスタジャンは、クローゼットの中に大事にしまってある。
時々出して着たりしてるけど…
合鍵にも可愛いキーホルダーを付けよう。
…ああ。色々考えるだけでも幸せな気持ちになる。
……だって。
佐野君が私の事を…
「…俺みたいに…か、ホントにそれでいいのかな…」
先生が呟く一言に急に現実に戻り、ドクン、と心臓がひとつ脈打つ。
……佐野君、行かないって言ってた。
一緒に居たいって…
教師になるって…そして…私の夢…
…それなのに…
先生の一言で胸の奥が小さく疼く…
「奏さん、手伝ってもらってありがとう、助かったよ、あいつら、ほっぽり出して行きやがって…」
佐野君達が学校に戻ってしまって、私はバスケ部一年生の子達と後片付けのお手伝いをしていた。
手伝いと言っても片手が不自由な私は、先生の車に道具を少しつづ運んだだけ。
後は他の子達が殆どやってくれて、
「いえ、私は何も、かえって気を使わせてしまったみたいで…」
「いやいや、あいつらも奏さんに良いとこ見せようとして、張り切ってたから、早く片付いたよ」
笑いながら、バタン、とトランクを閉める先生。
「しかし茜のやつ…教師になるって…はは…」
「…佐野君は…高田先生みたいになるのが夢なんです…」
先生は車に寄り掛かり、うで組みをして駐車場から海岸を眺める。
先生と同じ方向に目をやると、太陽の陽射しで輝く水平線に目を細めた。
さっきは楽しかったな。
バーベキューなんて初めて。
みんなと記念撮影?までして。
ふふふ。
佐野君がシャッターを押して。
佐野君の一言にみんな顔を歪めての記念撮影。
後で見せてもらったら、みんな面白い顔してた。
その後に、佐野君と二人で初めて写真を撮った、マサト君が撮ってくれて、佐野君たら顔くっ付けて来るんだもん、(上裸だし)恥ずかしくて顔が赤くなってた。
他にも沢山撮ってくれた。
心の中では何度も佐野君にシャッターを押したけど、ホントに一緒に写真撮れたなんて、夢みたい。
嬉しかった。
目に見えない宝物は佐野君から沢山貰ったけど。
形がある物って凄く嬉しい。
佐野君から依然貰ったスタジャンは、クローゼットの中に大事にしまってある。
時々出して着たりしてるけど…
合鍵にも可愛いキーホルダーを付けよう。
…ああ。色々考えるだけでも幸せな気持ちになる。
……だって。
佐野君が私の事を…
「…俺みたいに…か、ホントにそれでいいのかな…」
先生が呟く一言に急に現実に戻り、ドクン、と心臓がひとつ脈打つ。
……佐野君、行かないって言ってた。
一緒に居たいって…
教師になるって…そして…私の夢…
…それなのに…
先生の一言で胸の奥が小さく疼く…

