「俺がポイントガードなんだよ!」
「俺だってミニバスん時ポイントガードだったんだ!」
「そんな事知るかっ!俺が茜に頼まれたの!第一お前クラス違うだろ?」
「うっ…うるさい!佐野がいいって言ったんだ!」
「二人ともいい加減にしろっ!」
「「あでっ!」」
貴司と拓也の頭を同時に拳骨で殴る俺。
そのままその場にしゃがみ込む二人。
ファミレスを出てからずっとこの調子のコイツ等。
拓也が犬なら貴司は猿だ…
ハーフコートで軽くゲームしてそれぞれの役割を決めた(勿論俺が)俺はポイントフォワード、貴司がポイントガード、俺の身長と同じ位の福田がセンター。
生田がシューティングガード。
真木がスモールフォワード。
大体こんな感じて落ち着いた。
女子の役割も大体決まって、それぞれフルコートで男女合わせてゲームしようと言う事になったんだけど、何故か部外者の拓也がゲームに参加すると聞かずに、現在に至る。
俺はため息をつく。
「…じゃ、俺審判やるから、拓ちゃん入っていいよ…」
「マジ?やった♪ありがと、佐野」
と可愛く笑う拓也。
「え〜?コイツ部外者じゃん…」
ブツブツ文句を言う貴司。
「時間が勿体ない、夕方までなんだろ?何とか形にしたいんだよ、優勝するんだから、それにバスケ部の拓ちゃんより貴司が上手いと思う、だからポイントガードに決めたんだから」
「ホントかっ?茜?」
「うん。さすがミニバス経験者、期待してるよ、貴司」
「お、おうっ、任せとけ!」
えへへ、と頭を掻く貴司。
何照れてんだ?コイツ…
「……佐野?俺はヘタクソなのか?俺だってミニバス経験者だ…今もバスケ部だし…」
泣きそうな顔の拓也。
「下手じゃないよ、でも周りを見る余裕が無い、ポイントガードには向かないよ、俺の代わりにセンターフォワードやってね?」
拓也にポイントフォワードは無理だろうから。
「佐野の代わり?」
「うん。俺の代わり」
「よし!任せとけ!絶対優勝してやる!」
……拓ちゃん…お前が優勝してどうする?
「……はいはい。わかったから、そんじゃゲーム始めるよ?」
俺はコートの真ん中に立ち、高くボールを上に放った。

