それは あついあつい夏の日のこと・・・・・・桜坂高校二年 橋本ケイ       ぼくら その夏 出会うことになった。    カナカナカナカナ・・・・・・・・・・ひぐらしがなく。そんな音耳にも入らずぼくはある一人の女の子のことばかり考えていたんだ・・・去年の夏、ぼくは友達らとあついあつい帰り道をかえった・・。       シャァーー・・・・自転車の横切る音、汗と香水の混じった独特ないいにおい・・・・なびくながい茶髪の人だ・・・とっさにぼくは振り向いた。  僕の瞳にはその子の横顔が焼きついた・・・目があったんだ・・・・爆発しそうなくらい胸があつい。彼女も少し照れくさそうだったから二人して目をそらす。 ・・・・・・・・・・・・パッ・・・・二人同時に振り向いてしまった・・・急いでそらす。彼女の制服は桜坂高校のものではない。また会いたいと思った。なんだか僕は彼女とはまた会える・・・・そんな気がしてたまらなかった・・・。「ケイ?なんかあったか?」友達の一人がそういった。     僕はそんな言葉耳に入らずただただ、あの子のことを考えることであたまがいっぱいだった。だから こんな嫌になるくらい暑い夏の時期になるとぼくは彼女のことを思い出してしまうんだ・・・・・。          ただ会いたい。ひとめだけでもいいんだ。ただただ 彼女のことを考えて高校へといって、いつもと変わらない日常を過ごす。  ガララララ・・・担任がやってきた。いつものようにベラベラと喋る。   誰もきいてやしない。 しかし そんな担任の話の中で唯一僕の耳に入ってきた言葉・・・・・・・「あと、今日はなんと転入生がいるから、紹介する」 まさかっ!!         「波川 翔子です。」  波川翔子と名乗るその女の子は確かにぼくが一年前に見たあの彼女に違いない・・・・奇跡としか言いようがない・・・・・波川翔子、彼女との出会いが僕らの日常を一変させるだなんて、まだだれもしらない・・・・