うさぎの小箱~【鍵つき】短編集~






放課後になった。



「…………夜ー。帰るぞー。

………とっとと起きなさーい!」



いつまでも机に突っ伏して眠りこけるぐうたらな男の頭にズシッとそいつのリュックを乗せてやる。



「……………んん~……。」



それにやっと鈍い反応を示してのそのそと顔をあげる。



「…………一日中寝てんなよ………。」



「……………んー…、だって退屈なんだもんよー…。」



ふぁ…とアクビをして、夜はまだ眠そうに目を擦った。



夜は学校を退屈だといつも言う。



授業も一度聞けばすぐに飲み込む夜………



解らない問題なんてない、夜にスポーツで敵うヤツもいない……女の子はうるさくてウザいとしか思えない…………。



夜を見てると、なんでも出来るのに………それが羨ましいと…思えなかったりする……。



そんな時、いつも思う。



夜を本気にする《何か》が現れたらいいのに……って。











こうやって…………ぐうたらと寝て…………



夜は、その《何か》を待ってるのかな……………?










この、欲も覇気もないヤツの…………ほんとに望むモノってなんだろうか…………。















…………俺がソレを知ったのは…………まだ、先の話。