うさぎの小箱~【鍵つき】短編集~





「…………意外と空いてるな。………何したい?」



「サッカーする。」



日曜日だけど、公園にはそんなに人がいなくて…これなら持ってきたボールを蹴っても大丈夫だって思って、ハルにサッカーボールを差し出した。



ハルは笑いながら受け取って人が少ない広場に行こうと歩き出した。



「………学校楽しいか?」



ボールを蹴りあいながら、ハルはおれのことをいろいろと聞く。



おれは うーん…と、はっきりしない返事を返す。



「なんだ、勉強嫌いってことはないだろう?」



モヤモヤした返事にハルが笑いながらボールを蹴った。



「逆だよ。おれ、わかんないのないんだもん……つまんない。」



それを蹴り返しながら退屈な授業の話しをした。



「あぁ……。じゃあ友達と遊んで楽しめばいい。
友達はいて悪いことはないぞ?

おまえは子供のくせに妙にめんどくさがりだしな……」



そう言うとちょっと遠い目をした。