うさぎの小箱~【鍵つき】短編集~





「…………お口開けて……?」



「…………く…ち……?」



「そ……。あーん…て。」



「………あー…ん…?」



戸惑いながらも何故だか抗えずに、恐る恐る従って…………



「………ん。………上手。」



そのままね…?…夜はそう言ってゆっくりあたしに顔を近づけ…………



「…………んっ!……ふ………」



開いた口にスル…と舌を入れて…………深い深いキスをした……………。



「…………はっ…あ……ん………!」



「…………はぁ……っ。」



角度を変えて何度も何度も…………苦しいくらいに激しいキス…………。



心臓…………ドキドキし過ぎて壊れちゃう。



ヤバイヤバイと警告音が響いてるのに、とろけた頭じゃ抗えない。



唇が離れると、ぼうっとしたあたしの首筋に………



「………ひゃあっ!?」



夜がペロリと舌を這わせて驚いた。



「……………夢なら食っちゃいたいけど……………。」



「………っ!?」



潤んだ黒い瞳といつもよりちょっと掠れた色っぽい声に心臓はますますはね上がった。