愛も忍耐力!?


「夏希ちゃん。
このマスコット。
見覚えある?」

そう言って紗季ちゃんが上げた右腕の指には
市橋君から貰ったマスコットがあった…

「うん。それ,市橋君から貰ったマスコット。
どうして持ってるの…?」
ちょっと質問攻めになるあたし。

「うーんとね…
ゴミ箱に捨ててあったから拾っただけ。」

…ゴミ箱?
捨てる…?

「ご,ゴミ箱って…
何それ…
捨てた覚え無いんだけど…」
そう言うあたしに紗季ちゃんは
ふーんって目で見下ろしてくる。

「じゃぁさ,なんでゴミ箱の中にあったの?」

それはこっちのセリフだ。
そう思ってたら市橋君が来た。

「お前ら…
どうしたの?って伊野!
それ俺が夏希にあげたマスコットじゃん。」
「あのね!市橋くー…
「市橋ぃ!あのねーこのマスコット
中学校のゴミ箱に捨ててあったのぉ!
だから今夏希ちゃんに何で捨てたのか
訊いてただけだよぉ」

勘違いされる…!!
でもここで下手に誤解を解こうとしても
逆効果になるだけ。