周りを見回さなくても、自然と隆司の指定席へと足が進んでいく。 が、この前と同じようにまた手前で止まってしまう。 「結衣ちゃん‥」 結衣ちゃんが行くよ?と隆司の腕を引っ張っている。 「隆司、今日準備あるの‥?」 わたしはなにも悪くないはずなのに、喉がカラカラで、いつもみたいに話せない。 約束、してたのに。 「奈緒、ごめん。待てるか?」 隆司は困ったような顔をしていた。 そっか。結衣ちゃんに強く言われて断れなかったのかな。 「うん。ここで待ってる。」