「び、びっくりした……」
診察室から飛び出したアタシは、ヘナヘナと力が抜けてしまって、そのまま廊下に座り込んだ。
それより、みっちゃん先生はどこ?
あと、看護師の伊津子さん(推定57歳)は??
キョロキョロと見渡しても二人の姿は見当たらない。
「おかしいな、休憩中かな?」
そんなことより、あの人……何者?
「もしかしてこれ、事件では?」
こうしちゃいられないと勢いよく立ち上がった時、診察室のドアがガチャリと開いた。
中から出てきたのはさっきのお姉さんで、身構えるあたしを見てバカにしたようにクスっと笑う。
「じゃあね、ガキンチョちゃん」
ツンと顔を背けると、処方箋をブランド物のカバンにしまいながら診療所を出ていった。


