・・・☆彡

一週間後。

アタシはフタバ診療所を訪れていた。

「なに?まだ調子が悪いだって」

「はい。きっと先生の腕が悪いからだと思うんですけど」

「あー、はいはい。それはないから安心しろよ」

アタシの訴えを軽くあしらって、それで?と聞く。

「一応聞いてやる。症状は?」

「えーとですね。胸がざわざわしたり、時々ギューッと押しつぶされるようになったりして、落ち着かないんです」

「今も?」

「今も……先生が目の前にいると特に症状が強く出る様な気がします」

「ほうほう、それは大変だ」

先生はカルテに走らせていたペンを止めてアタシをジッと見つめる。

「確かにそれは病気だな」

「やっぱり……で、どうやったら治るんですか?」

「それはだな。ピンクの白衣着て、ここで仕事していればじきに治るさ」

「……変態ヤブ医者っ‼」

振り上げた手を仁科先生が掴む。

「誰が変態ヤブ医者だよ……まったく、厄介な病にかかりやがって」

だって、アタシは知らなかったんだ。

これが『恋の病』だということを。





END