「お、起きたか」

目の前に立って居たのは、他でもない仁科先生で。

「きゃぁーーーーっ」

アタシはかすれた声で思い切り叫んだ。

「うるせえ、わめくなよ。病人らしく、しおらしくしてろよ」

仁科先生は、耳を両手で塞ぎながらアタシを睨みつける。

「何見てんのよ。出て行ってよ‼」

「いやだね。ほら、脱げよ」

「は?またセクハラ?」

「ばーか。診察に決まってんだろ」

アタシに聴診器を向けて、ほらほらとでも言うようにパジャマのボタンに手を掛ける。