俺の知らないことをたくさん知ってる。


そう感じるたびに……

距離が離れていくような怖さが心を支配してしまう。


やっぱり所詮、俺は中学生なりたての子供。

見た目は、大人っぽくても…
ちょっと前までランドセルを背負っていた小学生だったのだ。


数学って言うのにまだ違和感あるし……

英語なんか、全然分からない。


やっぱり……

俺ってまだまだ子供。


早く莉子に追いつきたい。



「どした~? 暗い顔になってんぞ?」



ぽにょっと頬が、莉子の手によって押される。

意地悪そうに笑うはぐにすべてを見透かされているような気がして、目を伏せた。



「あ、エム♪ 美鶴くんってばM♪」



え……む??

俺はどちらかといえばSだと思う。

莉子がMでしょ?


そう言おうと思った矢先、得意げな笑みを浮かべる莉子にさえぎられてしまった。