━━━━━



あたしはこの日、マサキと連絡をとって、“ミサト”の居場所を突き止めた。



三浦悠真の隣のクラスで、中学3年で同じクラスだったマサキ。三浦悠真のことには触れないように、なんとか聞き出せた。



“ミサト”が三浦悠真と同じクラスであることは分かっていたから、特定するのにそう複雑な手続きは必要としなかったのだ。






三浦悠真との待ち合わせから1時間後の朝11時きっかり。



隣町の泉高校の正門に、あたしは来ていた。



マサキが“ミサト”と会う約束を取り付けてくれたのだ。



ほんの2、3分話がしたい、と言ったら、“ミサト”は快く承諾し、部活の合間に顔を出してくれると約束してくれたらしい。



“大人しくて、無口だけど、笑うと可愛くて、優しくて、暖かくて”



彼の言葉を思い出しながら、“ミサト”の顔を想像していると、ジャージ姿の少女が校庭の方から走って来るのが見えた。



あたしが先に頭を下げると、“ミサト”は柔和な笑みを見せて、「初めまして」と答えた。



ちょっと茶髪がかったショートヘアの、小柄な女の子。確かに大人しそうで、優しそうな印象を受けた。