「殴られた」
「は?」
何してくれてんの?
あのアホヤロー。
「でも、遥樹と別れたくなかったから…」
「うん」
「会いに行こうとしたら呼び止められて…」
「……」
「また殴られた…その繰り返し」
あいつマジっざけんな。
ゆるさねー。
俺の大事な萌香傷つけやがって。
「じゃぁ俺の事避けてたのって…」
「藍に見つかったらまた…」
そうか…怖かったのか…
「あたし、自分しか守ってないね…」
「……」
「殴られるのが怖いから逃げてただけ」
「そん「ごめんなさい…」
俺が否定しようとしたら…言葉を被せて来た。
「萌香、謝んな。
きっちり借りは返してくるからな」
「殴っちゃダメだよ」
う…。
上目使いでんな事言われたら…。
けど、やっぱ許せねーよ…。
「ダメだからね」
「……わかった…」
「ありがとっ 遥樹。
言ったら楽になった!」
そう言って萌香は俺の胸に顔をうずめてきた。
何これ、可愛すぎでしょ。



