「?」
「だから…あの子としゃべって欲しくない。
あの子遥樹にべたべた触ってる。
そのことに全く気付いてない遥樹も遥樹。
でも一番は…。
遥樹にあたっちゃう自分がいやだった。
遥樹が油断しすぎなんだって。
優しすぎるんだって。
イヤな奴だよねごめんなさい…」
「萌香…俺もごめんな。
でも萌香は嫌な奴じゃねーよ。
それに気付けなかった俺が悪い。
てか…やきもちだろ?」
「………………悪い?」
萌香は上目づかいで俺を睨んできた。
それに頬を真っ赤にして…膨らませて。
可愛すぎ。
苦労した先にはすげぇ嬉しいご褒美がある。
白い部屋になんで黒いものがあるのか…なんでなのかは聞かない。
けどきっと萌香の心に、純粋な綺麗な心に黒が芽生えたからかな。
今度でいいから理由教えてな?
「嬉しい、けどせめて俺としゃべってくれ」
「遥樹が油断してたのが悪いんだもん。
仕方ないの」
いや…さっき自分が悪いって…
「萌香」
「ん?」
「大好きだ」
「あたしも」
「ぜってー離さねーから」
萌香は嬉しそうに笑った。
萌香の周りに花が咲いてくように。



