暫く椎名は動けなかった。仕事に復帰できたのは発熱から5日後。
「ご迷惑をおかけしました。新垣、看病してくれてありがとうな。」
そう、殆どオレは付きっきりで看病したのだ!勿論結奈や葛城たちも手伝っていたが。
「結奈、手紙おおきに。嬉しかった。友也もありがとな。」
その言葉に何故か照れる二人。そしてそれに気付かない鈍感椎名。

……鈍感椎名って響き良くねぇ?

じゃなくって。そう、まだまだ依頼は尽きないのだ。レンジャーは頼りにされてる証拠。
「もう大丈夫なら、ちょっとデカい依頼やるぞ。」
「何?」
椎名が小首を傾げて柊を見る。
「ストーカー退治。」
「それってヘタしたら……」
「自分たちがストーカーだと思われるかもな。」
現に何度かあったらしい。そりゃああんな仮面付けてたらそうも思われるわな。
「それって校内なん?」
「ああ。犯人の目星は付いてるらしい。ほぼ毎日のラブレターがウザいんだと。」
柊が机に置いたのは、犯人と思われる写真。
「うげ、俺の友達やないですか……」

……何て奴と友達なんだ、今すぐ友達止めて逃げろ!
ってそれも違うだろ。

「最悪やんか友也。」
「ほんまですわ、知らんかった。」
しょぼんとした葛城の肩を叩いて慰める椎名。柊(他の奴も)は何とも言えない表情で葛城を見て、言った。
「変な行動をしたら教えてくれ。あと皆、尻尾掴んで捕まえるまで依頼人と一緒に登下校するように。」
「えー?」
相原は不服感を隠さずに(隠せよ!)言う。
「仕方ないだろー。」
柊のその様子だと、彼自身も本当は嫌みたいだ。
「やるしか無いやろ、それが俺たちレンジャーの仕事やもん。」
な?って問いかける先はオレ。オレは渋々頷いた。