落ち着いた登校時間を終え、教室に入るとそこも人がまばらで静かな空間だった。

先週クジで決まった新しい席に着く。
1番後ろの窓際から2番目。

普通なら、授業中青空が眺められる特等席なはずなんだけど…。

あと少ししたら梅雨入り。


雨の季節。

私の大嫌いな、雨。

だって、雨が降ると思い出す。


忘れたくて、
忘れたくて、
でも忘れられない、あの事を。


あぁ…、と思い当たった。

もうすぐ雨の季節だからあんな夢を見たんだ。

もうすぐ、私の16歳の誕生日がやってくる―――――…